VR考察ノート

VRについての考察を書いていきます。フルダイブ型VRに向けてどのような改良を行うべきか、現在のVRの課題点等々を考察して行きます。

VR考察ノートNo.13(ARデバイス/オーグマー)

今回の考察では、ARデバイスについて考察していきます。

VR考察ノートではありますが、考察ノートをARとVRで分けてブログを開設するより、こちらだけを使ったほうが比較的面倒がないので、ご了承頂ければと思います。

SAOの劇場版で登場したARデバイス、オーグマーについて現段階の技術でどこまで可能なのか、またそれら技術を利用することで生まれる利点と難点について考察していきます。最後に、現段階の再現度から、さらに再現度をあげるにはどのような機能、技術がいるのかを考察し、最終的に疑似的なモデルを提案できればと思います。

また、技術や機能等に関しては作者個人で調べた情報を用いるため、若干の最新のデータと異なる点や、おおかたの機能や仕組みで考察を述べる場合がありますので予めご了承下さい。

AR自体の解説については、VR考察ノート劇場化記念をお読みいただければ、ある程度のARについての事は分かるのではないかと思いますので、ご興味ある方は下にあるブログよりお読みください。

 

light-vr.hatenadiary.jp

 

※ 考察ノートでは、作者個人の考察、意見ですので、ご参考程度にお願い致します。

 

 

まず、オーグマーがどのようなデバイスなのかを詳しく見ていきます。

オーグマーはAR型情報端末であり、ソードアート・オンラインの中で出てくる代表格のフルダイブ型VRバイスとは打って変わって、フルダイブ機能の代わりに拡張現実の機能を盛り込んだ端末となっています。

フルダイブ型とは違い、人間が覚醒状態での使用が可能となり、現実世界に仮想の視覚、聴覚、触覚情報を送りこむことが可能といったデバイスです。

(公式サイト:https://sao-movie.net/story/story.html#augma )

 

オーグマーの機能について(下記画像引用元:上記記載のSAO公式サイトより)

https://sao-movie.net/assets201701/img/in/story/augma_img.png

 一つずつ機能が現段階で再現可能かを考察し、難しい場合は代用的に使用できそうな技術を提案し、その差について考察していきます。

 

1.視線検出カメラ搭載ダイレクトプロジェクトシステムについて

視線検出デバイスなので、小型カメラの搭載とアイトラッキングシステム(人がどこをどのように見たのかを測定する)を導入することで再現可能になります。これに関してはVRバイス同様に視線検出をすることによって、自然な映像の移り変わりを実現させ、VR酔い、ここでいうAR酔いの軽減をさせる狙いがあるのではないかと思います。

ユーザが空間に浮かぶ画面を見ている状態で首を振った時、頭の揺れに同期せず、一定の視界の場所に画面が留まり続けると酔いやすいので、画面は同じ場所にあるように見せ、現実のように視界から外れれば見えなくなるなどといった、現実の見え方を再現する工夫は現状のVRでも使用されているので、同様の理由からオーグマーにも搭載されたと考えられます。(製作段階で有識者に突っ込まれないようにしたのかもしれないですね)

よって、視線検出デバイスは現段階でも再現が可能です。

 

 

2.バイタルシェイプドモールドボディについて

あまり詳しくは記載されていないので、名前から考察してみます。

バイタルは体温、脈、呼吸、意識、血圧を指すのですが、上記画像より、発汗・脈センサーは別に存在しているので、ここでいうバイタルはそれを除いた体温、呼吸、血圧を指していると仮定します。シェイプドはshapedとして調子・状態という意味で取り、モールドはmoldとし、型として意味を取るとすれば、バイタル状態計測デバイスのような感じではないでしょうか。

仮にそうだとして、話を進めます。これに関しては考察というより現状でも存在していることが明確に分かっているので、少し触れる程度にさせていただきます。

バイタル状態を計測する理由としては、最近のウェアラブルバイス(apple watch等)では、心拍以外にも体温や血圧などのバイタルを計測出来るようになっています。オーグマーに関してもウェアラブル・マルチデバイスと称されていることからも、日常的な機能として導入されることはごく自然なことであることが分かります。また、小型化が進んで腕時計レベルまで小さくなっているので、現状の段階でもオーグマーレベルのデバイスであれば搭載することは可能だと思われます。

 

 

3.発汗・脈センサー

 これに関しては上記のバイタルシェイプドモールドボディで触れたウェアラブルバイスの中には、脈の計測が可能なものもありますので、それを搭載するだけです。

発汗センサーに関しても同様で、ウェアラブルバイスの中には搭載されているものもあるので、その機能を使用する形で再現ができます。脈や血圧、呼吸、体温等のバイタルデータに関しては、体調によってはデバイスの使用をやめるように勧める等のサービスや、健康診断やバイタルが一定以上に乱れた場合にすぐ緊急連絡が入るようにしたりと色々な活用が思い付きますが、発汗センサーに関してはなぜ搭載されているのか個人的に気になったので、考察していきます。(読み飛ばしても支障はないですので、もしご興味ない方や、知っている方は読み飛ばして頂いても大丈夫です)

 

少し、寄り道のような形にはなりますが、発汗センサーから得られるデータからどんなことが分かるのか考察、調べたものをかみ砕いて解説できればと思います。参考、引用させていただいたサイトに関しましては、URLを明記させていただきますので、深く知りたい方がいらっしゃいましたら、そちらのサイトをご覧いただければと思います。

まず、発汗には大きく二種類のタイプに分けられ、「温熱性発汗」と「精神性発汗」に分けられます。

 

「温熱性発汗」:体温を一定に保つためによる

「精神性発汗」:体温調整に関わらず、感情や情動、精神的ストレスによる

(引用:http://skinos-nagano.co-site.jp/pers/%E7%99%BA%E6%B1%97%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%9B%E3%83%B3.html )

 

 まず、温熱性発汗を発汗センサーによって発汗量を数値データ化したとします。ウェアラブルバイスとして搭載されているわけなので、日常的に使える機能として考えられるのは、発汗量に応じてその人にあった運動や、スポーツを勧めることや、発汗量に応じて危険ラインに入った場合は通知して、ユーザ側が自分の体調を可視化することで、リスク(熱中症等)を最小限に減らした上に、健康的な体を維持できるようなヘルスケアにおける外面的な身体管理を行うことを可能にするのではないかと思われます。

また、精神性発汗も同様に数値化した場合は精神に関わるものが多く、ストレス反応がどのような時に発生するのかを統計することで傾向を知ることや、過剰なストレスによる負荷反応を計測しメンタルヘルスケアへの利用や、ストレス負荷がかかりやすい車や電車等の安全支援を行うことも可能になるのではないかと考えられます。基本的にはウェアラブルバイスはIoTとして確立することからも、これらのヘルスケアは現実的なので、搭載されたのではないでしょうか。

 

 

4.サウンドインジェクションスピーカー

サウンドインジェクションという名前がスピーカーの前についてるわけですが、これに関しても詳細が載っていないのであくまで仮定を決めてからの考察になります。

injectionとは注入という意味があるので、音を入力するという感じになります。

イヤホンやヘッドホンは電気信号を物理振動に変換し、人間の耳に「気導音」をメインとして音を聴かせているのですが、耳に音を入力していると考えれば現状一般的に広く知られているイヤホンやヘッドホンで再現すればいいわけですが、オーグマーの形状を見る限りでは、耳の部分に何かを装着する形にはなっていないので、イヤホンやヘッドホンでは完全な再現とは言えない事が分かります。

それでは、現段階で耳に装着せずに音を聴かせる技術は存在するのでしょうか。

SAOの中ではフルダイブ型があるので脳に電気を流すことで音を聴かせることが出来るのだとすれば、オーグマーもその技術が使用されている可能性がありますが、今回はその仮定は置いておくことにします。

 

耳に装着しないスピーカーとして挙げられるデバイスは「骨伝導スピーカー」です。最近登場したこのデバイスは人が通常聞く「気導音」(空気の振動によって伝わる)ではなく、「骨伝導」(骨の振動によって伝わる)を利用し音を聴かせる仕組みとなっています。このデバイスは骨の振動を起こし、音を発生させるので耳に装着する必要がなく、耳周りを覆うような形状のオーグマーであれば、十分にこの技術を使用することが可能です。よって、脳にダイレクトに音の信号を与えなくても現状の技術で再現する事は可能です。

 

 

5.脳内スキャンセンサー

これに関しては視覚情報を追加するという事をする技術として見ていきます。これで公式の方で取り上げられているものとしては最後のものになりますが、視覚に関しては1~4の技術では取り上げられてなかったので、ここでは上記のように仮定して、話を進めていきます。

脳に信号を送り込んで、今見えてる視覚に情報を上乗せして伝えることが出来るデバイスは現在、存在しているかといえば今のところは半々といったところではないかと思います。人工視覚といった技術が最近は研究されてきており、網膜刺激型・脳刺激型が主な人工視覚のタイプです。

網膜刺激型では、網膜を電極で刺激する事で視覚を作り出す形です。(更に細かく分けると、網膜上/下等々分類されますが、今回の話題に織り交ぜて取り上げると、文章が長くなるので省略させていただきます)

なぜ網膜に電気を流すと視覚情報を得ることが出来るのかというと、視覚ネットワークで最初に電気信号が発生する組織なので、その部分に電気信号を適切な形で入力してあげれば、視覚を得ることが出来る訳です。

脳刺激型では、脳の視覚野といわれる領域(大脳皮質の視覚に関する領域)を電極で刺激することで視覚を作り出すといった形です。網膜刺激と同様で視覚に関する器官、組織で視覚に関する処理をする脳の領域なので、そこに電気信号をうまく送り込めば、視覚を得ることが出来るそうです。具体的に取り上げるとすれば、バイオニック・アイというデバイスが研究されています。

気になった方は、下記URLより

視神経/網膜刺激型:

https://engineer.fabcross.jp/archeive/180907_bionic-eye.html 

上記記事の詳細:

https://www.sciencedaily.com/releases/2018/08/180828172043.htm

 脳刺激型:

https://wired.jp/2012/09/06/bionic-eye/

 

ところで、先ほどまで上げた技術で視覚を作り出すことは可能ですが、これら技術は、電極を接触させないといけないので、手術をすることがほとんどなのだと思います。

オーグマーは侵襲型ではなく、非侵襲型のように見えますし、一般の人が使うには手術を必要とする技術の使用はリスクが高いので、この技術で完全に再現する事は難しいと思われます。(侵襲: 生体を傷つけること/ここでは脳や網膜に電極を付けること)

他の現技術でアプローチすることは可能なのか考察していきます。まず、非侵襲型であること、脳や網膜に電気信号を送り込むという形ではない技術、デバイスであることを前提として考察を進めます。私個人としてすぐに思いついたのは網膜投影技術です。

網膜投影型については過去の考察ブログにて、少しではありますが触れています。

light-vr.hatenadiary.jp

light-vr.hatenadiary.jp

 

網膜投影型デバイスにする利点としては、映像を映すディスプレイが必要ないというところです。オーグマーの形からすれば視線検出カメラ搭載ダイレクトプロジェクトシステムのところに加える形で使用すれば視覚を加算することは出来るようになると思います。ただ、これに関しても問題があり、網膜投影型に限らず、他のデバイス(侵襲型を除く)は両眼に送り込むことで立体視を得ることが出来るので、オーグマーのように片方からの投影では不十分です。仮に先端から、映像を両眼に送ることが可能でもどちらかの目に対しては投影が斜めに入るので完全に立体視出来るのか気になるところではあります。恐らくではありますが、ビジュアルにこだわらなければ片方から投影する必要はありませんし、そのような片方からの投影デバイスはないのではないかと思います。

 

前述のように、視覚をオーグマーそのままの形で再現するには現技術では難しいと考えれます。したがって、今後の技術で非侵襲型でありながら、脳に電気信号を送り込める、または網膜に送り込めるようなものが出来ない限りは完全に再現するのは難しいと思われます。

 

 

まとめ

オーグマーの持つ機能を現技術で再現すると下記のようになります。

・視線検出カメラ搭載ダイレクトプロジェクトシステム→アイトラッキングシステム

・バイタルシェイプドモールドボディ→ウェアラブルバイス(小型化必要)

・発汗・脈センサー→ウェアラブルバイス(同様に小型化必要)

サウンドインジェクションスピーカー→骨伝導スピーカー

・脳内スキャンセンサー→脳/網膜/視神経刺激(非侵襲型必要)、網膜投影(形状の変更、もしくは片方から投影可能にするか)

※脳内スキャンが視覚だけでなく、五感やその他諸々の場合に関しては、頭全体を覆わないでスキャン可能にする必要性、また非侵襲型にする必要性等々が挙げられます。また、脳スキャンだけで全体の機能の殆どを補えるので、そこまで行くと未来的すぎるので今回は触れていません。

現在の技術でもある程度ならオーグマーの再現は可能であると今回の考察で分かりました。脳分野のデバイスや技術が現段階だと、まだ発展途上であり、その分野の発展が今後のウェアラブルバイスを含め、フルダイブ型のVRや、今回取り上げたオーグマーなどのAR・MRデバイスの発展に繋がっていくのだと思います。

 

また、オーグマーの周辺機器としてタッチペンがありましたが、それに関してはまた違う機会に触れたいと思っています。もう構想自体はあるのでそのうち書いていく予定です。(ノックバックや触覚等々)

 今回の考察では、オーグマーに関して再現はどこまでできるのかについてでしたが、実際、次世代型携帯端末機としてオーグマーのようなデバイスが開発されたらいいな…なんて構想を日々抱いていたので、今回ブログに書かせていただき、ますます期待が膨らんでいます。考察で挙げた現段階の技術で一度α版のようなものを作ってみたいところです。

 

最期までお読みいただき有難うございました。

誤字、脱字等ありましたら、ご連絡お願い致します。
質問やリクエスト等ありましたら、コメント欄に記載して頂ければ、答えられる限り回答させて頂こうと思います。(twitterのリプライ、DMでも可能です)

VR考察ノートNo.12(思考実験への可能性)

はじめに

今回はVRの現実性を活かすものとして有力な思考実験に関する考察をします。

※ 考察ノートでは、作者個人の考察、意見ですので、ご参考程度にお願い致します。

 

まず第一に思考実験とはどのようなものを指すのかについてです。

思考実験とはあくまで頭の中で想像するだけの実験で、実験器具を使わず、理論から導かれる現象と思考から結果を出すものです。なので、実験器具を使った実験よりも曖昧でこうなるであろうという結果が求まります。これが必要となるのはあまり現実的ではない、現実では有り得ない事象(後で例を出します)、または今までの理論では導き出せない事象(ニュートン万有引力等)に使用されます。

 

現実では有り得ない事象例

親殺しのパラドックス

元はSF作家Le Voyageurの著作「grandfather paradox」です。日本語訳「祖父のパラドックス」ですが、これはある人が血の繋がりを持つ祖父を祖母と結婚する前の時代に戻り、祖父を殺害したらどうなるのかというものです。これを思考実験によって考えると、祖父を殺した場合、自分を生む親が存在しなくなります。つまり、自分は生まれないのだから祖父を殺害する事も不可能であるといったパラドックスに陥ります。

結論としては、幾つかありますが干渉出来ず、現実に帰服する事となります。

 

このように結果として説明ができるように考える為、有り得ない事象に対する結果を出せるのが思考実験です。

 

本題

VRは思考実験に対してどのような可能性があるのか。

それは人間の心理状態、道徳心を測るような思考実験に対して、その思考実験を仮想空間内で反映し、より現実に近い実験をする事が出来るというものです。

例として、トロッコ問題が挙げられますが、こちらはVR Insideの方で詳しく書かれていた為(一番最後にURLを載せさせていただきます)、他の事柄を例として挙げます。

 

救命ボート問題

あなたはボートで溺れた5人を救助しに行きます。しかし途中で1人の溺れている人を発見しました。その人を助けた場合、5人が溺死してしまいます。また、その1人を助けずに5人を助けた際にはその1人が溺死するとした時にどういう行動を取るのかというものです。

この問題は人の道徳心に関するもので、一概に答えが決まっている訳では無く、1人を犠牲にする事が許されるのか、否かを考えるものとなっています。思考実験としては、功利主義と義務論による矛盾が生じる事になります。

しかし、VR下において同じ状況を作り出した場合、グラフとしてはどのようになるでしょうか。ここでは考察で実験をする事はありませんが、恐らくどちらかに票が分かれると思います。VR Insideの方に載っていたデータによれば、トロッコ実験の結果として功利主義(多くの命を救う)を選択した人の方が多くなっています。

つまり、脳による想像よりも現実性の高いVRでは、より現実において起きた場合の行動率を知ることが可能になります。このように人間の道徳心によって矛盾が生じるような問題であったとしても、VRを使用することによって、その矛盾とは違ったデータが算出される可能性が高いという事です。思考実験の一部は現実における実験に近い形を取り、更に深い考えを生み出す助力になる可能性が高いという事も考えられます。

 

まとめ

思考実験の一部、人間の道徳心に関する実験において、VRは思考実験から導かれる矛盾とは異なる結論を導出する可能性があり、また思考実験における矛盾が、現実においての行動では無視される仮定の裏付けとして役に立つ可能性とあるという事が分かります。

今のVRは視覚、触覚(完成度はまだ低い)が再現され、その時点においてもデータは片方に偏っていますから、五感、その他諸々の再現されていない感覚がVR下におかれたものを人間が体験した場合、現実性の高さから殆ど現実に起こった時と変わらない結果が出ると考えても良いかも知れません。

しかし、これらの結論は現実に近いというだけで、人間の心理状態までは現実に起きた時のように完全に作り出すことは出来ないので、VRで起きたから現実でもこの答えであると断言するには薄く、あくまでも仮定、推定の領域としての結論として扱われるのが正しいのではないかと考えます。

 

今回は思考実験に対してVRはどう利用する事が出来るのかについての考察でしたが、軽く思考実験の数々を見た感じ、パラドックス(矛盾)になるものが多く存在し、未だに脳内だけでは解明することの出来ないものがある事が分かりました。また、その一部ではあるものの推定の域ではあるものの結論を出せる事をVRが可能にする事も分かりました。

皆さんの中でもし思考実験について御興味がある方がいらっしゃいましたら、webで思考実験と調べれば、面白い思考実験を見つけられるので是非調べてみてください。

今回はお読み頂き有難うございました。

 

誤字、脱字等ありましたら、ご連絡お願い致します。
質問やリクエスト等ありましたら、コメント欄に記載して頂ければ、答えられる限り回答させて頂こうと思います。

 

 

功利主義

「最大多数の最大幸福」を基本原理とする倫理思想。つまり善悪の基準は、より多くの人がより多くの快楽とより少ない苦痛を得ることにあるとする。(はてなキーワードより)

 

義務論

イマヌエル・カントに代表される道徳哲学における考え方の一つ。道徳律は、「定言命法」に従うべきというもの。(はてなキーワードより)

 

VR Inside:VRを使って「トロッコ問題」をリアルに体験した時、ヒトはどう行動するか?

https://www.google.co.jp/amp/s/vrinside.jp/news/trolley-problem-in-vr/amp/

VR考察ノート番外編(論文公開)

今回はVRについて考察したものをこちらで述べるのではなく、考察から結論まで論文形式で書かせて頂いたものを上げさせて頂きます。

(ブログの最後にURLを貼ってあります)

 

軽い紹介

今回の論文ではVRは子供へどのような影響を与えるのか、また活用方法について主に述べていきます。最初の方では悪影響について。続いてその悪影響の改善は可能なのかについて。

次に子供へのアプローチとしてどのような使い道があるのかについて2つ述べ、最後に結論という流れになっています。

 

また、この論文では理系論文というよりは、文系寄りの論文ですので、新しい技術についての論文でない事を御理解お願いします。

内容の中において、網膜投影型、脳信号からやり取りするようなデバイスが出てきますが、これらは出来る可能性があるデバイスで、これらのデバイスを使用すればという「仮に」の形となっていますので、そちらも御理解お願いします。

 

追記:御指摘がありましたので、ご報告させていただきます。

ゲームエンジンメーカーのunity、unrealにつきましては、VRを産業応用により使用してるため、「ゲーム分野の進出及びその他建設向けCG、映画業界への進出も見受けられる」となります。

斜視に関しましても、VRだけではなく、VRを含む3D立体視から起こる問題であり、VR単体の研究でないことをご理解のほど宜しくお願いします。

 

ご感想等ありましたら、コメントに是非!

 

‪論文:「VRの課題と新たな可能性」‬
‪【Task and new possibility of VR‬】

https://files.acrobat.com/a/preview/ad4f9508-81ed-4d1c-935c-e3f773fea8d4

 

ページが少し表示されにくい時がありますが、数秒待つと反映されますので、少しお待ち頂くと全文読むことが出来ると思います。他に何か問題があればご報告頂けると助かります。

VR考察ノートSAO劇場化記念版(ARとVRを徹底解説!)

今回はSAO劇場化を記念してARとVRの比較、違いを解説、考察していきます。
ARとVRはまだ生まれたてに近い技術です。そのため、いまだに解明されていないことや未開発のものが沢山ありそれを解説、考察できればいいなと思っています。
次はARとVRの基本的な情報について書いてあります。

※考察ノートでは、作者個人の考察、意見ですので、ご参考程度にお願い致します。

 

ARとVRの基本的情報
ARとVRで恐らく殆どの方がVRの方がまだ聞いたことがあるかと思います。このページでは基本的なことを主体に説明、考察をしていきます。
まずARとは?
ARはAugmented Realityの略称で日本語にすると拡張現実と言う意味をさします。また拡張現実とはコンピュータによって人が知覚するデータ(現実環境)を拡張する技術(この場合視覚AR)のことをさします。詳しくは後程触れていきます。
それに対してVRとは?
VRはVirtualRealityの略称で日本語にすると仮想現実と言う意味をさします。仮想現実とは人間が人工的に作られたあるものを五感で感じることを意味し、その技術のことをさします。これについても詳しくは次に触れていきます。

 

AR、VRとは(詳細)
ARとは、現実環境を拡張する技術とありましたが、どのようなものかというと例を上げると分かりやすいかもしれません。例としては今出てきているパズドラレーダーやトレージャーガウスト、ドラゴンボールに出てくるスカウターなど様々なものがあります。ではこれらの共通的なところはどこでしょうか?
パズドラレーダーやトレージャーガウスト、スカウターに共通的なところはまず映像だけでそのものが構成されていないということです。つまり、パズドラレーダーでいうとGPSを使って自分の近くにいるモンスターを見つけたりと現実の延長線上にあることがわかります。
それに対してVRとは、仮想現実というもので人工的に構築された現実的なものを現実と取り替えるというものです。これは例をあげますとPSVRというものがあります。PSVRは視覚という現実にある五感の1つをゲームの中の主人公視点に変えることができる。ゲームとは仮想で人工的に構築されたものなのでVR技術が使われていることがわかります。
次はARとVRの比較について書いてあります。

 

ARとVRの比較
ARとはそもそも一つ前に話した通り、現実の延長線上にあるものであり人間の五感を伸ばすような形となっています。
VRの場合、一つ前の事でいうと現実にある五感をゲーム内(仮想)で表す形となっています。
これらを比較するとまずARとVRの違いとは、五感を延長線上に伸ばすものなのか、五感を他の人工的な構築されたものに移すのか、という違いが出ています。ですが、逆に考えると五感を使って現実に変化をもたらしていることは共通的なところです。なのでARはVRの変異的なものとして考えることができます。
簡単にまとめたものを次に書いています。

 

簡単にまとめるとARはある一定の現実環境に情報の付加や無駄な部分を消したり、減少させることによって現実を拡張させています。
たとえば現実の中で人が座っていて、テーブルの上には何もない、しかし何か機械をつけることによってテーブルの上には色々なものがおいてあるように見える。これが拡張現実です。
それに対し、VRはそのもの自体を人工的な構築されたものでもう一度作り直す、そのようなことをします。付加したり消したりというよりは人間そのものをゲーム内、あるいはコンピュータ内に送り込むということです。
たとえば、ゲーム内で人が座っていて、テーブルの上には色々なものがおいてあるように人間の五感情報を人に見せていく。これが仮想現実であり、拡張現実と決定的に違うところです。

 

ARとVRには様々な違いがまだあります。
ARではコンピュータが五感を強化させること、つまり視覚や味覚、聴覚から皮膚神経にあたるまであらゆる人間の情報提示をすることによって成り立ちます。
VRの場合では、人に提示する仮想的な物に対して現実性を増させる。これがVRが重視しているものです。またVRの場合、現実がどのような環境、位置でも関係性をあまり持つことはなく、あくまで個別的な現実とはまた違う世界を見せてきます。
ARの場合では五感を強化することを重視しているため、現実とは関係性を深く持ちます。自分の位置や物の場所など全ての現実環境が影響を及ぼしてくるのです。
VRはゲーム内部の音や温度などの環境を伝えることや景色などを見ることができるのに対し、ARは現実内の五感を上げていく作用があるということです。

 

MRとは?
MRはMixed Rearityの略です。
ARはMRに属し、VRはMRに属さない。
ARとVRの違いは基本が現実か仮想かで、変わってきます。MRは現実をベースとした技術でARにVR的要素が含まれるものを指します。つまり、ARはMRに属するという事が分かります。
一方でVRは基本が仮想世界という事になるので、基本として扱われる世界が違う事になり、MRには属さないのです。
では、MRという技術はどのようなものを指すのでしょうか。これについて次に考察をしていきます。

 

MRとは、仮想世界を現実世界内に反映させる技術です。よって、ARも現実世界に仮想的要素を加えている事からMRに属したものである事が理解できます。
MRはVR的要素を現実世界に反映させる。ここまではARの範囲です。更にその仮想的要素を違和感なく体験すること。これによって、MRが成り立ちます。
現実世界と仮想世界が互いに干渉し合う技術がMRなのです。
僕の憶測だと完璧なMR技術はVR的要素を違和感なく使用する事から、五感を利用したフルダイブ型VRの一つ手前の段階で作る事が可能なのではないかと思っています。なので、ARの進歩→MRの進歩→フルダイブ型VRへと繋がっていくのではないでしょうか?

 

今回はいつもと違い劇場化記念のものでしたが、いかがでしたか?
劇場版作中でもARデバイス「オーグマー」を使用しますが、あれはどちらかというとMRデバイスとして括るのが一番なのではないかと個人的には考えています。
ARとVRどちらも未だに開発途中のものであり、MRに至っては未開発に近いものです。これからも考察を続けていきますが、もしかしたらVR考察ノートに加えAR考察ノートを書いていくかもしれません。どうなるかまだ決まってませんが…
それはともかく、今回の特別版ご愛読有り難うございました!
もし、No.1〜4を読んでない方がいましたら、是非そちらも読んでみてください。

VR考察ノートNo.11(VRの仕組み)

はじめに
今回の考察ではVRの仕組みについて考察して行きます。
これからのVRがどのように変化していくのかについても考察しています。
その他にVR体験してる時に、周りが与える自身への影響等についても取り上げています。
今回の話題では、一度考察した所を改めて考察し、考察結果が変わる場合がありますが、ご理解お願い致します。

※ 考察ノートでは、作者個人の考察、意見ですので、ご参考程度にお願い致します。

 

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VRの仕組みについて
最初に今ある、両眼分離型のVRデバイスの仕組みについてです。
スマホを使用したモバイルVRは、100円均一のショップで販売されている場合もあるので、仕組みについてはとても単純なものです。
画像の右側のレンズが2つ付いてるだけのものもVR体験が出来るものです。このことから、分かるようにレンズ2つと距離によるものであることが分かります。
実際に使用した方の中にはピントが合わなくて、VR酔いを起こしてしまった方もいらっしゃるようですので、なぜそれが起きるかについても仕組みと共に考察します。
レンズと距離については、スマートフォンの映像にピントが合うように設定されているのだと思われます。
目のピントが合う位置に設定することで、脳の錯覚により立体映像が構成されるので、それを利用してVR体験を実現していると考えられます。

 

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続き+VR酔いする原因
画像のように、立体映像が見えるようにするためには左右で見るものが交差することで起きるため、交差させる距離を縮めるためにレンズを使用し、立体映像が目の前にあるようにする工夫がVRデバイスにはなされています。
VR酔いを起こしてしまう方がいらっしゃるのは、画像に合うように設計された距離とレンズですが、やる方によっては瞳孔間距離の長さによって、ピントの合う位置がずれます。これによってしっかりとしたピントの合う位置ではないため、微妙に普段の見え方と違い、脳が信号伝達段階で混乱を起こす、あるいは混乱しないように脳内において感覚器官の方へ長時間見ることを避けるように伝達していると考えられます。なので、自作VRを作る場合はしっかりと映像にピントが合う位置を探して、調整する事がオススメです。普通に売られていて、ピント調整が出来ない場合は、レンズ部分を取り出して距離調整をする事でVR体験をスムーズに得ることが出来るのでは無いでしょうか。

 

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画像の工夫について
画像のようにVRを体験する際には、二つの映像が必要になります。この時に、画像は同じにはなっていない事が多いです。実際にこの画像の中では右の画像と左の画像で映っている範囲が違います。こうなっている理由は左目だけで見た時の映像と右目だけで見た時の映像で少し見え方が違う事をVR内においても同様にする為です。
これによって、脳の視覚情報処理を行う際に通常時と同様に行うことが可能であり、VRの没入感を高める工夫にもなっていると考えられます。さらに、通常時に近い環境を作り出すことによって、VR酔いを起こす可能性を軽減する狙いもあるのではないかと思います。

 

 これからのVRの進み方
網膜投影型(照斜型)デバイスとよばれる網膜に直接映像を映すことで、立体映像を生み出すデバイスが存在します。これについてはNo.10でも触れていますが、この網膜投影型の仕組みとしては、網膜にスクリーンに投影するのと同じように投影する事で立体映像を作り出すため、VRに応用する事が可能であり視覚VRに至ってはこれを利用することで、フルダイブ型への応用も出来るのではないかと考えられます。ライトフィールドという技術によって焦点を自分の好きな位置へ向けることも出来るため、より現実に擬似した体験を得ることが可能であり、視覚情報を直接脳内に送り込まなくても、視覚VRはこのデバイスを応用することで代用が出来るのではないかと考えられます。
これによって視覚情報をコンピュータ側で理解する事をせずとも脳内で理解されるため、情報量の軽減が可能になると思います。
その他の五感を再現するのには脳内に直接送るのが好ましいものもあると思いますので、それをどのように技術発達していくのか、気になるところです。

 

https://youtu.be/Odax7F3tWhM

周りが与える自身への干渉(影響)
上記動画のようにVR体験中に身体を押しただけで、パニックになってしまう場合があります。
理由として、没入感と現実の擬似的体験が関係していると考えられます。まず、現実の擬似的体験である事は脳からすれば、ほぼ現実と同じように感じます。これによって、VR内の映像が現実と同様の感覚を持つのではないかと思います。さらに、この動画の中ではOculus Riftを使用している事からも、没入感は高く現実と近いレベルの体験を得る事が可能だと考えられます。なので、没入感の高いVR体験はもう一つの現実を体験していると仮定します。
この時にVR内の立体映像がこの動画のようにジェットコースター等の動く乗り物に乗っている擬似体験をしているとした時に、没入感が高いことによって脳が現実と認識した場合、他者から押されるということは仮想空間内では有り得ない事になります。さらに押された事により、脳は前に出る事を認識したとすれば、ジェットコースター等の乗り物から飛び降りる様な感覚に錯覚として陥るケースもあるのだと考えられます。

 

このように没入感が高いタイプのVRはこれからも他者との理解が必要である事(この動画内ではドッキリだそうです。)や、プレイ前に近くに物がないかをしっかりと確認した上で体験する事が求められるのではないかと考えられます。
これからのVRには、五感が徐々にVRに追加されていくと考えられます。今では触覚がデバイスによって再現が可能になっていますので、さらにVRへの没入感は高くなると考えられます。この時に脳の錯覚はより強く出るものと考えられますので、その時の対策等を考えていく必要が今後出てくるのではないかと考えます。

 

最後に
今回の考察では前半に仕組みについて説明しましたが、視覚VRは瞳孔間距離、映像との距離をしっかりと計測して、調整すればVR体験はスムーズにする事が可能だと思います。さらに、100円均一ショップのものだけでも作成が可能なので、是非自分にフィットするVRデバイスを作ってみてはどうでしょうか?
また、ライトフィールドについては考察がまとまり次第、取り上げようと思います。
後半の没入感、現実の擬似体験が引き起こすVR空間と現実空間の錯覚ですが、下手すれば催眠術と同じレベルに効果が現れる場合もありますので、あまり過激なドッキリ等は仕掛けずに、正しい体験の仕方をする事をお勧めします。個人的な考えでは、早い動きをするものをVRによって体験する場合は6、7ページで述べた事が起きてしまいそうですが、そういうものでなければ、そんなに干渉を受ける事も今のところ無いのではないかと考えています。
今回はお読み頂き有難うございました。

誤字、脱字等ありましたら、ご連絡お願い致します。
質問やリクエスト等ありましたら、コメント欄に記載して頂ければ、答えられる限り回答させて頂こうと思います。

VR考察ノートNo.10(VRの対象年齢)

はじめに
今回は、VRに対象年齢が付いている理由、何故その年齢に設定されているのかを基礎として、これからのVR技術でそれは改善出来るのか等の考察をしていきます。
今回の話題の中では、VRが危険性のあるものとして扱われるのが多いです。そのため、VRに対して悪いイメージを持ってしまうかも知れませんが、この考察ノートだけを読んでそうは思わないで下さい。
他の様々な記事を読んだ上で、総合的に結論を導き出して頂ければ幸いです。

※考察ノートでは、作者個人の考察、意見ですので、ご参考程度にお願い致します。

 

VRの対象年齢
VRに対象年齢が設けられている理由は子供に対して身体的悪影響を及ぼす可能性があるからだと言われています。
今、現在のVRは視覚を使用したものなので、影響が出るのは大体目に集中する訳です。
VRを体験した人の中では、VR酔いの他に、目に少し違和感を覚えた方などもいらっしゃるのではないでしょうか?
その原因、子供に年齢対象が付けられる詳しい要因について次に触れていきます。

 

目に及ぶ影響
VR映像は、普通の2D映像をレンズを使うことと、動画を2つに分割し、3D映像になるように錯覚させています。そうなると、普通に生活しているよりも目に負担がかかることはよく分かります。
大人の場合は成長が止まっているので、影響は大きくなりにくいのですが、子供の場合、成長期によって目の感覚なども変化していくため、目に負担が大きくかかるとその状態から戻らなくなってしまう危険性があるのです。
その影響の内、大きく取り上げられるのは斜視です。
次はこの斜視について書いていきます。

 

斜視について
斜視は左右の目が違う方向を向いている状態を指します。例えば、真っ直ぐ見ようとした時、右が真ん中を向いていても、左がその他の方向に向いてしまう事が斜視ということです。
これが起きると、左右からの情報を合わせて脳内で立体化させていく訳ですが、その途中で左右の情報からだと立体化させることが困難な状態を作り出す可能性があります。
飛んでくる球を見た時に片方の目だけで見た場合、遠近感が取りづらくなるのは、左右の目で見た時の情報の内、どちらかが欠落してしまっているからです。これと同様に斜視の状態になると、ある情報が片方から欠落している場合、立体視が難しくなり、更に情報の錯乱から視力の悪化に繋がるのです。

 

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VRで引き起こる斜視
斜視があのような状態になるのには、原因ははっきりとしていないそうです。
しかし、VRでそれが起こると想定される理由は何故なのかについては、考察して行けば明らかになります。
少し前にVRがどのようにして立体視を作り上げているのかについて書かせて頂きましたが、VRは左右で錯覚が起きるように映像を見せます。上の画像からも分かりますが、立体視になる場合、左と右の映像は違うものになります。
通常、正面にある物体を見た時、左右の目の距離によって角度は変わります。ですが、VRの場合、映像は決められた角度のものが映し出されます。
VRによって、目は違和感を感じ、決められた角度から見るように目が適応しようとすると考えた時、現実での角度との差から、動こうとするのです。
そのため、現実と仮想空間内での目の映り方の差から斜視になる事があるのではないでしょうか?

 

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 瞳孔間距離
瞳孔間距離(以下、IPDと呼ぶ)は左右の黒目(瞳孔)間の距離のことを指します。IPDは子供の時には近く、成長するにつれて、遠くなります。
VRデバイスを使用する時に、VRデバイスのレンズ間の距離は固定されています。よって大人のIPDに合うようになっているため、子供が使用すると快適なVR体験は出来ません。
よって、IPDが適応される年齢に対象年齢が設定されるのです。
これに至っては、海外のVRデバイスの場合、日本人のIPD平均値と差が生まれることがあるため、子供は大きく変化するのですが、大人の場合も快適ではない場合があります。
最近では、上の画像のように、IPDが調整できるVRデバイスも開発されているため、それを実装したデバイスの対象年齢は少し下がる可能性はあると考えられます。

 

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斜視、IPDの改善
IPDについては、前にも記載した通り、IPDを調整できるデバイスが作られているので、改善は大きく進んでいます。
斜視については、網膜照射型を使用することで改善の可能性があると言われています。この考察内でも取り上げた通り、VRデバイスは左右の目に別々の映像を映す事で錯覚させて、立体視をさせています。それが原因として、角度が固定されているせいで斜視が引き起こるのではないかと考察しました。
網膜照射型は、ディスプレイに映像を映すのではなく、目に直接映像を映す事で作り上げます。
つまり、現実と仮想空間の間で起こる角度の差を出すことがないのです。先程の考察と合わせると、斜視が起こりにくいと考えられます。
網膜照射型はAvegant社のデバイス(上記画像:Avegant light field)が有名です。
MRデバイスですが、興味がある方は下記URLへ
https://www.google.co.jp/amp/www.moguravr.com/avegant-ar/amp/

網膜照射型デバイスの仕組み等については、最後のページにURLを記載しておきます。

 

フルダイブ型の場合
フルダイブ型の場合、斜視やIPDの問題が引き起こるのかについてです。
フルダイブ型が完成した事を仮定として、考察していきます。
斜視が引き起こる原因を角度の固定が問題となっているのだと考えるのであれば、フルダイブ型の場合、まず信号を左右の情報から理解させるのではなく、融合した視覚情報を脳内に送ることで成り立つ為、斜視というものは起こらないと考えられます。
IPDは、身体の計測時に必ず行うようにすればその人にあった距離を仮想空間内にも反映する事は出来るため、問題は起こり得ないものになります。
フルダイブ型まで技術が上がった場合、どちらも問題として扱われることは殆どないと考えられるのです。

 

今回は、VRに対象年齢が設けられている理由について考察させていただきました。
科学的には、子供の成長によって、大人よりも引き起こりやすい影響が関係している事がお分かりになったと思います。
この他にも、ネットから子供を守るための政策などが絡んだ上で対象年齢が設けられていると考えられているそうです。
斜視については、まだ明らかな原因が分かっていないため、考察によって仮定した上で更にどのように改善していくかを書いていきましたが、原因が分かり次第、また斜視について取り上げて書きたいと考えています。
最後までお読み頂き有難うございました。

誤字、脱字等ありましたら、ご連絡お願い致します。
質問やリクエスト等ありましたら、コメント欄に記載して頂ければ、答えられる限り回答させて頂こうと思います。

 

網膜照射型デバイスについてのURL

「Avegant Glyph」
http://businessnewsline.com/news/201601081319190000.html

レーザー技術で網膜照射
http://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NBO/mirakoto/design/h_vol5/

「Avegant Glyph」のURLは現在、正しいサイトへ繋がっていないため、近日中に正規URLへ変更します。暫くお待ち下さい。
尚、「レーザー技術で網膜照射」についてのURLは今記載してあるもので正規のものを見ることが出来ます。

VR考察ノートNo.9(モバイルVRについて)

今回はモバイルVRをメインに扱って考察していきます。
それに加えて、VRにおける競技性と酔い、VRとARの違い、またMRとはどのようなものなのかを書いています。劇場化記念の考察ノートについてはVRとARについて深く考察をしていますが、そのうち改訂をする予定です。
今回はVR、AR、MRがどのような違いのあるものなのかを少し考察を踏まえて書かせていただいてます。
※作者個人の考察、意見ですので、ご参考程度にお願い致します。

 

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モバイルVRの課題点と発展
皆さんの中には、お手頃な価格で出来るモバイルVRを使用したことがある方も多いのではないでしょうか?
まず、モバイルVRとはどのようなものなのかについてですが、上記写真の通りIphoneやandoroidなどのスマートフォン端末にをヘッドセットに挿入して使用するものです。特徴としては、軽い、そして1000~2000円台で買うことが出来るという手軽さにあります。高いものでも8000円辺りです。
VRヘッドセットの中には、パソコンに繋げてVRを体験するものもあります。Oculus RiftやHTC VIVE等あります。ですが、8~10万円程度とそれなりに値段は高く、子供世代からすると相当買いづらい値段になります。ですが、モバイルVRの場合、手が出しやすくVRに対する世間へ広まりを促進することが出来ます。

 

 ですが、モバイルVRにも問題点がいくつかあります。
一つとして、VRでは360度見れる動画がよく使用されます。理由としてはVR体験をする上で360度見れるという事も感動の一つなのだと思われます。ですが、モバイルVRの場合、情報処理が多少遅いせいか急に横向いたりすると、少し画質が悪くなる。或いは自分の焦点と動画内での焦点にズレが生じることもあります。このズレが原因となってVR酔いが起きやすくなることもあります。
また、サイズの大きいヘッドセットではないため、現実世界の情報をなくし過ぎることもないのですが、逆にいえば、VRに入り込めないという風にも捉えられます。なので、OculusなどのVRを使用した後にモバイルVRを使用した方は物足りないなど感じるかもしれません。

 

これからの発展について
モバイルVRの発展としては、他のVRにも当てはまる事ですが、焦点の自動照準が挙げられます。
今のVRの映像は大体2mに焦点を設定し作成されています。なので、2m辺りに焦点を固定してしまってることになり、これでは完全な視覚VRとは言えないのです。また、VR体験をした方の中にはお気づきになられた方もいらっしゃるかも知れませんが、VR内の映像は全てがはっきりと見えています。これも酔いの原因の一つです。
普通、人間は一つのものを見る時、それ以外のものは全てぼやけて見えるようになっています。もし、焦点をしっかりVR映像に反映したとしたのであれば、VRを使用する時間はより増加することが想像できます。スマートフォンの場合、この焦点を自動照準させることは可能なのか、次に考察していきます。

 

焦点の自動照準を現在のスマートフォンですることは難しいと思います。
なので、将来、新しくシステムを追加すると考えた体で考察をしていきます。
モバイルVRはスマートフォンの映像を見るので、内側のカメラを使用することで焦点をVR内に反映させることが出来るのではないかと考えました。
人は目からの情報を網膜を始めとして得ています。ですが焦点が網膜よりも後ろに像を結ぶことになると人はピントがどこにも合わず、はっきりと見ることができません。そこで水晶体と呼ばれる眼のレンズを使って焦点を網膜上に結ぶことをします。これを眼の調節機能と言います。水晶体を膨らませる、つまりレンズの厚さが厚くなると、近い場所にピントが合います。また、水晶体が緩まる、つまりレンズの厚さが薄くなると遠いところにピントが合うようになっています。
水晶体は毛様筋といわれる筋で膨らませたり、緩めたりとしているのでこの筋の温度を内カメラで測り、またどの方向に目が向いているのかを絞れれば、焦点をVR映像内で自由に反映させることも出来るのかも知れません。
そのためにもサーモグラフィ付きの内カメラと対応するVR映像が必要になります。

 

先程は新しくシステムを追加することを想定しましたが、VRのためのみにサーモグラフィ付きの内カメラを作り上げるのは難しいかも知れません。アプリ併用などが可能になり、赤外線が出せるカメラ(冷却システム付き)であれば可能になります。
もし、この上の2つの事がなかった場合、焦点のVR映像への反映は可能になるのか考えていきます。モバイルVRのヘッドセットにスマートフォンとコネクト出来るデバイスを取り付け、それによってスマートフォンに赤外線カメラをシステムとして付加できるようにすれば可能かも知れません。ですが、そうするとモバイルVRならではの軽量が少し損なわれる、また値段が高くなってしまう可能性が高いため、スマートフォン自体にアプリ併用や赤外線カメラを追加することが望ましいと考えられます。
また、普通のカメラによって、遠近を判断することは可能ですが大体のVRヘッドセットは中を暗くすることでVRをより一層現実に近いものにします。それ以外にも理由はありますが、暗闇の中で普通のカメラを使うよりも、熱による判別が簡単な赤外線カメラを使用するのも一つの方法ではないでしょうか。

 

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視線追跡機能
皆さんの中には、このワードを聞いて「FOVE」というヘッドセットを思い浮かべる方も多いかもしれません。
FOVEはSAOとコラボした事が多くのアニメファンにも伝わっていると思います。
モバイルVRの前にこのFOVE(モバイルVRではない)について、考察、説明をしていきます。
初期視覚VRからすると相当な進歩をしていて、従来のVRでは映像は全ての画質が同じで視線をどこに向けても、画質は同じの少しのっぺりとした印象を受けていました。
FOVEの場合は人間の焦点を特定し、フォーカスとボケを作り出し、従来とは違った更に立体的な映像を味わうことができます。
アイコンタクトという機能もあり、VR上のキャラと目を合わせることもできます。それによって、キャラが反応する仕組みもある為、没入感は従来より明らかに格が違います。
値段は599$と少し高めの金額ですが、これからのVRへの進歩を感じられるヘッドセットです。

 

モバイルVRの場合
モバイルVRの場合、焦点を赤外線カメラによって遠近を特定し、フォーカスとボケを作り出すのは、スマートフォンの進歩とも関係してくると思います。
ですが、アイコンタクトに至っては焦点と視線を反映させることになるためスマートフォンの情報処理では追いつくのは難しいと思われます。恐らく、焦点をVRに反映させるのも現段階だと難しいのではないかと考えています。
その場合はモバイルVR本体に焦点処理、アイコンタクトなどの処理を行える装置を取り付け、スマートフォンBluetoothなどでコネクトし、同時進行で行うヘッドセットが作られても面白いのではないかと個人的には思いましたが、そこまで来るとFOVEのようなパソコンを使用した形でも大して変わらない気もします。
持ち運べて、どこでも出来る利点はモバイルVRの特徴なので団体で楽しむ時にはモバイルVRの方もいいかもしれません。

 

映像処理について
これについてもモバイルVRや他のVRにおける発展です。より一層現実に近づけるには焦点をVR内に反映させる以外にも方法があります。
その中の一つが映像処理です。焦点の話とも少し被りますが、人間の見ている範囲の中にはぼやけて見えるところがあります。その部分を低解像度の画像にし、また集中して見ている場所を高解像度にしていくというものです。これによって、情報処理を軽くし、高解像度にするところに処理を向けさせることが可能になります。これによって質を高め、また現実に近づけることが出来ます。映像処理は焦点の反映とも密接な関わりを持つため、ほぼ同時進行で研究は進んでいくと考えられます。

 

3Dサラウンド音声
先程までの考察では、立体的な映像を追求することで、VRをより一層と近づけていくことを前提として考察していましたが、音も立体的にしていくことで現実に近づけることが出来ます。
これについてもモバイルVR、その他VRにも大体当てはまります。音波は反射、回折、干渉を人間の頭周辺をどのように飛ばしていくかによって、音が近くで起きているのか、それとも遠くで起きているのかをより現実味を帯びて再現して行くことが今、研究を進められています。
立体的な映像に立体的な音声を両方備えたVRは従来VRと比べると、没入感に相当な差が出ると考えられます。また、Oculus社ではPCを使わず、モバイルVRよりもクオリティの高いヘッドセットの開発を進めています。これによって、コードや準備が必要なくなるなど、新たなVRヘッドセットの可能性を作り出しています。

 

VRおける競技性と酔い
VR内における競技性というのは、定義としてはないのかも知れませんが、ある程度の練習をしないと出来ない事やVRに関する知識や経験、操作の慣れなどVRに反映される様々な事象を指すことにします。
皆さんの中にはVRヘッドセットをつけて酔った体験をした方もいると思いますが、これもVRの競技性なのではないかと思われます。一つの意見として、VRはやればやるだけ酔いは弱くなり、次第には酔わなくなると考えられます。それは人間の体や脳がVRという技術に慣れる事からも考えられます。この酔いがなくなる早さが早いほど、VR酔いによるトラウマや悪影響を無くすことに繋がり、安全面にも配慮したVRを作り出すことが出来ます。将来には人はVRに順応していき、VR酔いというものをあまり引き起こさなくなるのではないでしょうか?理由としては、人がVRに順応していく事を含め、技術進歩による仮想世界を現実と近づけていくことによっても起こっていくとは考えられます。

 

VRとARの違い
これについては、劇場版の考察でもしましたが想像しにくく、難しいのでもう一度考察させていただきます。
VRとARは何が違うのか。皆さんの中には思った方も多いのではないでしょうか?
まず、主として扱われる世界が違います。
現在のARの場合、現実を主とするため現実を見ながらも、仮想的なもの(映像)を見ることを可能にしたものです。例えば、ポケモンGoというアプリではARにすることが出来ますが、カメラに映った現実の映像に、ポケモンという仮想キャラクターを見れるようになっています。なので、現在のARは現実に見えているものに仮想(映像)を付加しているのです。

 

これに対し、現在のVRの場合は現実というものは一切見えなくなります。さらにいえば、見ているものは現実との関係はなくなります。椅子に座ってVRを体験した場合、その椅子という存在は仮想世界の中では見えなくなっています。どこにいようが、VR内では海にいる、もしくは全く知らない部屋にいるなど、現実が見えないため関係がないのです。また視覚は現実から仮想(映像)の方に対象が移っただけとなります。よってVRは現実と隔離されたものであり、視覚の対象先が現実から仮想に動かされたということになります。

 

MRとは?
MRに関しても、改めて考察させていただきます。(劇場化記念のMRに関する考察は、そのうち改訂していく予定です。)
MRはARにVR要素を含んだ上位互換です。ですが、VRの上位互換とは言えません。理由としては、VRの特徴である現実に影響されないという事にあります。VRは現実の要素が無いことで成り立つためMRという現実的要素を含むものは上位互換とは言えないのです。
例えば、視覚は仮想に対象を移しているが、現実内にある壁や物体はその仮想世界の中に違和感のないような形で反映されるようなものはMRと言えます。形や位置などは現実と同じであるとすれば、それはVRではなくMRとして捉えるのが正しい事になります。

 

まとめ
モバイルVRの課題点としては、PCを使用したVRの技術が上がることで質は高まっていくものの、モバイルVRについてはそれが難しいという事です。さらに、コードレスのVRが開発されると、ますますモバイルVRの利点が乗っ取られていきます。
そうなると、コストを削減しながらも高い質を出していく必要になるため、PCを使用するVRの技術を上手く利用してモバイルVRにも付加していく事が発展にも繋がっていくと思われます。
MRについては、説明が難しいのでまた知識が増え次第、また考察をしたいと思います。
最後までお読み頂き有難うございます。
考察して欲しいなどのリクエスト等ありましたら、コメント欄に記入していただければ対応させていただきます。