VR考察ノート

VRについての考察を書いていきます。フルダイブ型VRに向けてどのような改良を行うべきか、現在のVRの課題点等々を考察して行きます。

VR考察ノートNo.9(モバイルVRについて)

今回はモバイルVRをメインに扱って考察していきます。
それに加えて、VRにおける競技性と酔い、VRとARの違い、またMRとはどのようなものなのかを書いています。劇場化記念の考察ノートについてはVRとARについて深く考察をしていますが、そのうち改訂をする予定です。
今回はVR、AR、MRがどのような違いのあるものなのかを少し考察を踏まえて書かせていただいてます。
※作者個人の考察、意見ですので、ご参考程度にお願い致します。

 

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モバイルVRの課題点と発展
皆さんの中には、お手頃な価格で出来るモバイルVRを使用したことがある方も多いのではないでしょうか?
まず、モバイルVRとはどのようなものなのかについてですが、上記写真の通りIphoneやandoroidなどのスマートフォン端末にをヘッドセットに挿入して使用するものです。特徴としては、軽い、そして1000~2000円台で買うことが出来るという手軽さにあります。高いものでも8000円辺りです。
VRヘッドセットの中には、パソコンに繋げてVRを体験するものもあります。Oculus RiftやHTC VIVE等あります。ですが、8~10万円程度とそれなりに値段は高く、子供世代からすると相当買いづらい値段になります。ですが、モバイルVRの場合、手が出しやすくVRに対する世間へ広まりを促進することが出来ます。

 

 ですが、モバイルVRにも問題点がいくつかあります。
一つとして、VRでは360度見れる動画がよく使用されます。理由としてはVR体験をする上で360度見れるという事も感動の一つなのだと思われます。ですが、モバイルVRの場合、情報処理が多少遅いせいか急に横向いたりすると、少し画質が悪くなる。或いは自分の焦点と動画内での焦点にズレが生じることもあります。このズレが原因となってVR酔いが起きやすくなることもあります。
また、サイズの大きいヘッドセットではないため、現実世界の情報をなくし過ぎることもないのですが、逆にいえば、VRに入り込めないという風にも捉えられます。なので、OculusなどのVRを使用した後にモバイルVRを使用した方は物足りないなど感じるかもしれません。

 

これからの発展について
モバイルVRの発展としては、他のVRにも当てはまる事ですが、焦点の自動照準が挙げられます。
今のVRの映像は大体2mに焦点を設定し作成されています。なので、2m辺りに焦点を固定してしまってることになり、これでは完全な視覚VRとは言えないのです。また、VR体験をした方の中にはお気づきになられた方もいらっしゃるかも知れませんが、VR内の映像は全てがはっきりと見えています。これも酔いの原因の一つです。
普通、人間は一つのものを見る時、それ以外のものは全てぼやけて見えるようになっています。もし、焦点をしっかりVR映像に反映したとしたのであれば、VRを使用する時間はより増加することが想像できます。スマートフォンの場合、この焦点を自動照準させることは可能なのか、次に考察していきます。

 

焦点の自動照準を現在のスマートフォンですることは難しいと思います。
なので、将来、新しくシステムを追加すると考えた体で考察をしていきます。
モバイルVRはスマートフォンの映像を見るので、内側のカメラを使用することで焦点をVR内に反映させることが出来るのではないかと考えました。
人は目からの情報を網膜を始めとして得ています。ですが焦点が網膜よりも後ろに像を結ぶことになると人はピントがどこにも合わず、はっきりと見ることができません。そこで水晶体と呼ばれる眼のレンズを使って焦点を網膜上に結ぶことをします。これを眼の調節機能と言います。水晶体を膨らませる、つまりレンズの厚さが厚くなると、近い場所にピントが合います。また、水晶体が緩まる、つまりレンズの厚さが薄くなると遠いところにピントが合うようになっています。
水晶体は毛様筋といわれる筋で膨らませたり、緩めたりとしているのでこの筋の温度を内カメラで測り、またどの方向に目が向いているのかを絞れれば、焦点をVR映像内で自由に反映させることも出来るのかも知れません。
そのためにもサーモグラフィ付きの内カメラと対応するVR映像が必要になります。

 

先程は新しくシステムを追加することを想定しましたが、VRのためのみにサーモグラフィ付きの内カメラを作り上げるのは難しいかも知れません。アプリ併用などが可能になり、赤外線が出せるカメラ(冷却システム付き)であれば可能になります。
もし、この上の2つの事がなかった場合、焦点のVR映像への反映は可能になるのか考えていきます。モバイルVRのヘッドセットにスマートフォンとコネクト出来るデバイスを取り付け、それによってスマートフォンに赤外線カメラをシステムとして付加できるようにすれば可能かも知れません。ですが、そうするとモバイルVRならではの軽量が少し損なわれる、また値段が高くなってしまう可能性が高いため、スマートフォン自体にアプリ併用や赤外線カメラを追加することが望ましいと考えられます。
また、普通のカメラによって、遠近を判断することは可能ですが大体のVRヘッドセットは中を暗くすることでVRをより一層現実に近いものにします。それ以外にも理由はありますが、暗闇の中で普通のカメラを使うよりも、熱による判別が簡単な赤外線カメラを使用するのも一つの方法ではないでしょうか。

 

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視線追跡機能
皆さんの中には、このワードを聞いて「FOVE」というヘッドセットを思い浮かべる方も多いかもしれません。
FOVEはSAOとコラボした事が多くのアニメファンにも伝わっていると思います。
モバイルVRの前にこのFOVE(モバイルVRではない)について、考察、説明をしていきます。
初期視覚VRからすると相当な進歩をしていて、従来のVRでは映像は全ての画質が同じで視線をどこに向けても、画質は同じの少しのっぺりとした印象を受けていました。
FOVEの場合は人間の焦点を特定し、フォーカスとボケを作り出し、従来とは違った更に立体的な映像を味わうことができます。
アイコンタクトという機能もあり、VR上のキャラと目を合わせることもできます。それによって、キャラが反応する仕組みもある為、没入感は従来より明らかに格が違います。
値段は599$と少し高めの金額ですが、これからのVRへの進歩を感じられるヘッドセットです。

 

モバイルVRの場合
モバイルVRの場合、焦点を赤外線カメラによって遠近を特定し、フォーカスとボケを作り出すのは、スマートフォンの進歩とも関係してくると思います。
ですが、アイコンタクトに至っては焦点と視線を反映させることになるためスマートフォンの情報処理では追いつくのは難しいと思われます。恐らく、焦点をVRに反映させるのも現段階だと難しいのではないかと考えています。
その場合はモバイルVR本体に焦点処理、アイコンタクトなどの処理を行える装置を取り付け、スマートフォンBluetoothなどでコネクトし、同時進行で行うヘッドセットが作られても面白いのではないかと個人的には思いましたが、そこまで来るとFOVEのようなパソコンを使用した形でも大して変わらない気もします。
持ち運べて、どこでも出来る利点はモバイルVRの特徴なので団体で楽しむ時にはモバイルVRの方もいいかもしれません。

 

映像処理について
これについてもモバイルVRや他のVRにおける発展です。より一層現実に近づけるには焦点をVR内に反映させる以外にも方法があります。
その中の一つが映像処理です。焦点の話とも少し被りますが、人間の見ている範囲の中にはぼやけて見えるところがあります。その部分を低解像度の画像にし、また集中して見ている場所を高解像度にしていくというものです。これによって、情報処理を軽くし、高解像度にするところに処理を向けさせることが可能になります。これによって質を高め、また現実に近づけることが出来ます。映像処理は焦点の反映とも密接な関わりを持つため、ほぼ同時進行で研究は進んでいくと考えられます。

 

3Dサラウンド音声
先程までの考察では、立体的な映像を追求することで、VRをより一層と近づけていくことを前提として考察していましたが、音も立体的にしていくことで現実に近づけることが出来ます。
これについてもモバイルVR、その他VRにも大体当てはまります。音波は反射、回折、干渉を人間の頭周辺をどのように飛ばしていくかによって、音が近くで起きているのか、それとも遠くで起きているのかをより現実味を帯びて再現して行くことが今、研究を進められています。
立体的な映像に立体的な音声を両方備えたVRは従来VRと比べると、没入感に相当な差が出ると考えられます。また、Oculus社ではPCを使わず、モバイルVRよりもクオリティの高いヘッドセットの開発を進めています。これによって、コードや準備が必要なくなるなど、新たなVRヘッドセットの可能性を作り出しています。

 

VRおける競技性と酔い
VR内における競技性というのは、定義としてはないのかも知れませんが、ある程度の練習をしないと出来ない事やVRに関する知識や経験、操作の慣れなどVRに反映される様々な事象を指すことにします。
皆さんの中にはVRヘッドセットをつけて酔った体験をした方もいると思いますが、これもVRの競技性なのではないかと思われます。一つの意見として、VRはやればやるだけ酔いは弱くなり、次第には酔わなくなると考えられます。それは人間の体や脳がVRという技術に慣れる事からも考えられます。この酔いがなくなる早さが早いほど、VR酔いによるトラウマや悪影響を無くすことに繋がり、安全面にも配慮したVRを作り出すことが出来ます。将来には人はVRに順応していき、VR酔いというものをあまり引き起こさなくなるのではないでしょうか?理由としては、人がVRに順応していく事を含め、技術進歩による仮想世界を現実と近づけていくことによっても起こっていくとは考えられます。

 

VRとARの違い
これについては、劇場版の考察でもしましたが想像しにくく、難しいのでもう一度考察させていただきます。
VRとARは何が違うのか。皆さんの中には思った方も多いのではないでしょうか?
まず、主として扱われる世界が違います。
現在のARの場合、現実を主とするため現実を見ながらも、仮想的なもの(映像)を見ることを可能にしたものです。例えば、ポケモンGoというアプリではARにすることが出来ますが、カメラに映った現実の映像に、ポケモンという仮想キャラクターを見れるようになっています。なので、現在のARは現実に見えているものに仮想(映像)を付加しているのです。

 

これに対し、現在のVRの場合は現実というものは一切見えなくなります。さらにいえば、見ているものは現実との関係はなくなります。椅子に座ってVRを体験した場合、その椅子という存在は仮想世界の中では見えなくなっています。どこにいようが、VR内では海にいる、もしくは全く知らない部屋にいるなど、現実が見えないため関係がないのです。また視覚は現実から仮想(映像)の方に対象が移っただけとなります。よってVRは現実と隔離されたものであり、視覚の対象先が現実から仮想に動かされたということになります。

 

MRとは?
MRに関しても、改めて考察させていただきます。(劇場化記念のMRに関する考察は、そのうち改訂していく予定です。)
MRはARにVR要素を含んだ上位互換です。ですが、VRの上位互換とは言えません。理由としては、VRの特徴である現実に影響されないという事にあります。VRは現実の要素が無いことで成り立つためMRという現実的要素を含むものは上位互換とは言えないのです。
例えば、視覚は仮想に対象を移しているが、現実内にある壁や物体はその仮想世界の中に違和感のないような形で反映されるようなものはMRと言えます。形や位置などは現実と同じであるとすれば、それはVRではなくMRとして捉えるのが正しい事になります。

 

まとめ
モバイルVRの課題点としては、PCを使用したVRの技術が上がることで質は高まっていくものの、モバイルVRについてはそれが難しいという事です。さらに、コードレスのVRが開発されると、ますますモバイルVRの利点が乗っ取られていきます。
そうなると、コストを削減しながらも高い質を出していく必要になるため、PCを使用するVRの技術を上手く利用してモバイルVRにも付加していく事が発展にも繋がっていくと思われます。
MRについては、説明が難しいのでまた知識が増え次第、また考察をしたいと思います。
最後までお読み頂き有難うございます。
考察して欲しいなどのリクエスト等ありましたら、コメント欄に記入していただければ対応させていただきます。